ギャスパー・ノエ監督が贈る、どんなホラー映画よりも怖すぎる人生最期の日々『VORTEX

映画予告

新作のたびにその実験的な試みと過激描写で世界中を挑発し続けてきた鬼才ギャスパー・ノエ監督が、「暴力」「セックス」を封印、「病」と「死」をテーマに自身の経験を経て新たな世界を作り上げた最新作『VORTEX ヴォルテックス』が2023年12月8 日(金)より劇場公開される。

 本作は、人はどう死んでいくのか?誰もが目をそむけたくなる現実を、真正面から冷徹なまでにまざまざと描いたギャスパー・ノエ監督の新境地にして最高傑作。

 主演は、80歳にして初主演を果たしたホラー映画の帝王ダリオ・アルジェントと、『ママと娼婦』の娼婦役で鮮烈な映画デビューを飾り伝説的な女優となったフランソワーズ・ルブラン。演技とは思えないふたりの奇跡の名演に目を奪われずにはいられない。

 スプリットスクリーンの画面分割によって、老夫婦の日常が2つの視点から同時進行で映し出されていく。心通わぬ家族、不測の出来事、やがて訪れる死。我々は、暴力なき恐怖の渦に吸い込まれ、“死ぬまで”を追体験する。

 2画面同時進行(スプリットスクリーン)で映し出される、認知症を患う妻と心臓病を抱える夫の人生最期の日々。

 解禁された予告では本作を象徴するスプリットスクリーンのシーンが盛り込まれており、心臓病を患う“夫”と認知症が進行する“妻”……余命いくばくもない彼らと、離れて暮らす“息子”(アレックス・ルッツ)の姿がとらえられている。一見仲睦まじい夫婦の日常を描いていくのかと思いきや、次第に日常が崩れ去り、誰もが目を背けている【逃れられない運命】が無情にも迫りくることを予感させるものとなっている。

 本作で映画初主演および本格的な演技初挑戦となった、ホラーの巨匠ことダリオ・アルジェントの姿もぜひご注目いただきたい。

 これまでに、『アレックス』(2002年)や『CLIMAX クライマックス』(2018年)といった過激で「動」な作風が特徴だった監督が、本作では打って変わって静かに、しかし確実にゆっくりと破滅へと向かっていく人々の人間模様を、目を背けたくなるほどに克明に描き切る。
昨年のフランス映画祭2022

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