NHK大河ドラマ「光る君へ」第34回予告 9月8日放送34話あらすじネタバレ解説!33話藤原道長(柄本佑)がまひろ(吉高由里子)に送った扇子の意味、紫式部、源氏物語「若紫」の再現か
NHK大河ドラマ「光る君へ」、9月1日放送、第33回の中で、道長がまひろに送った扇に書かれていた絵についてこの絵の内容が、まひろがこの先にかく、源氏物語、第5帖「若紫」の物語のヒントなる重要なシーンであったことについてドラマでは語られない、このシーンの持つ大切な意味について解説していきたいとおもいます。
第33話では、まひろは彰子の女房となって彰子のいる藤壺に住み込みで物語を書くことになりましたが、宮中での暮らしが肌に合わず、実家に帰って作品を書きたいといって出仕後、わずか8日間でまた実家に帰ってしまいました。そして、その4ヶ月後の1006年5月に作品を書き上げ、道長の元へ届けると、一条天皇はこの物語の感銘をうけ、子のもとにも通うようになり、そのことを大変喜んだ道長は、まひろに褒美の品を与えました。その品とは、まひろと道長が、はじめて河原で、出あったときの様子が描かれた扇で、まひろはおもわず胸があつくなる場がありました。
この絵に描かれていた景色は、第1話で、まひろが家で飼っていた「ヤマガラ」という鳥が籠の中から逃げてしまい、その鳥を追って河原にまで来たところ、そこで道長の幼少期のさぶろうとであいました。まひろは「とりがにげってしまったの。大切に飼っていたとりが」というと三郎は、「鳥を鳥籠で飼うのが間違いなのだ。鳥は自由に空を飛んでこそ鳥だ」といいます。まひろは、母から言われたことばを思い出して「でも、ひとたび人に飼われた鳥は外では生きられないの」というと三郎は「それでも鳥が逃げたのは、逃げたかったのだろう。諦めろ」といいます。この二人のやりとりが、このさき、まひろが書く、源氏物語、第5帖「若紫」という物語のヒントなった重要なシーンであったとおもわれます
源氏物語の第5帖「若紫」では、主人公の光源氏の妻となる「紫の上」という女性が、まだ子供の頃、「籠の中にとれえていた雀の子を、犬君(いぬき)に逃された」と訴えるシーンがあります。犬君(いぬき)とは、「紫の上」が召し使っていた女童の名前で、紫の上の遊び相手をする女の子です。そして、ものがたりには、若紫の世話をする女房と、紫の上の祖母に当たる尼君も登場します。祖母の尼君は紫の上に「雀を籠にいれたりすることは、「罪たることぞ」といい、仏様も喜ばないことだと、普段からいっていたのに」といいますがこのセリフは、さぶろうが、「鳥を鳥籠で飼うのが間違いなのだ。鳥は自由に空を飛んでこそ鳥だ」というセリフによくにています。また、紫の上の女房が「だいぶ馴(な)れてきて可愛うございましたのに、外へ出ては山の鳥に見つかってどんな目に遭わされることか」といいますがこのセリフは、まひろが母から言われた「ひとたび人に飼われた鳥は外では生きられないの」というセリフによくにています。そして源氏物語にでも、紫の上と女房たちのやりとりを、主人公の光源氏が、松の垣根の影から垣間見ている様子が描かれており雀が逃げたシーンで「紫の上」と光源氏が初めて出会うのです。
このように、まひろが子供の頃に体験したできごとが、道長からおくられた扇の絵をみて、改めて蘇って物語のアイデアが浮かんでいったのではないかと読み取れます。このチャンネルでは、光る君へのドラマをもっと楽しく、より深くご理解いただけますよう、番組をご覧になられる前、またご覧になられたあとに、ご視聴いただき、皆様のお役にたてましたら幸いです。また続きを聞いてみたいという方はチャンネル登録、高評価ボタンもどうぞよろしくお願いします。本日も、最期までご視聴ありがとうございました。
参考資料
NHK出版「光る君へ」後編
東京ニュース通信社「光る君へ」Book2
国文学研究資料館所蔵
小学館:学習まんが人物館
講談社現代新書:紫式部と藤原道長
NHK(C)
https://www.nhk.jp/p/hikarukimie
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コメント
この扇はすごい!すぐに書けるものじゃないだろうから、かなり前から発注してあったんだろうな。こんなのもらったら、いちころだ❤
一瞬、道長がまひろの為に手作りかなって思うくらい、感動の出会いの絵だった。まひろも涙ぐんでいた。
なんや御手柄の褒美に出合った想いでを売るの?
わたしも観ながら涙がツーとながれました道長にもあの日が消えて無い事幸せを感じました