元受刑者が社会復帰に向けてもがき苦しむ姿/映画『過去負う者』ティザー予告

映画予告

舩橋淳監督(『ある職場』)最新作、「ドキュメンタリー×ドラマ」の手法で迫る現代社会の暗部『過去負う者』の約90秒のティザー予告2本が解禁!

本作は、受刑者の採用を支援している実在の就職情報誌の活動にヒントを得て制作された劇映画である。

日本の刑務所満期出所者が5年以内に再犯し、入所する確率は約50%。「世界一安全な国」を標榜しながら、一体、なぜ出所者は再び罪を犯してしまうのか?監督は劇映画からドキュメンタリーまで幅広く手がける舩橋淳。実際のセクハラ事件に基づいて役者との即興劇で描いた前作『ある職場』(2022)と同様、自らプロデューサーも務め、前作とほぼ同じキャスト・スタッフで、前科者の社会復帰に横たわる問題を描いた。

回解禁された約90秒のティザー予告2本は、いずれも舩橋淳監督自ら編集を担当。どちらも本編から特定のシーンをほぼそのまま抜き出した形になっている。

1本目は、覚せい剤取締法違反で実刑2年を受けた後、社会に復帰しようとしている女性が元受刑者のための就職情報誌「CHANGE」編集部を訪れ、面接をしている場面。「犯罪を犯してしまった人間に、就職先などないのではないか?」と不安に怯える女性の心を開こうと、編集部のスタッフが温かくも辛抱強く寄り添う様子がリアルに描かれている。

また、2本目は元受刑者たちに心理療法として実施しているドラマセラピーの稽古のシーン。「CHANGE」編集部の女性スタッフが稽古に参加してもらうため、元受刑者の男性を熱心に諭そうとするも、思わぬ反発を招き、口論に発展してしまう場面が描かれている。

2本のティザー予告に共通しているのは、「これは一体、ドキュメンタリーなのか、それともフィクションなのか?」というただならぬ緊張感とリアリティだ。舩橋監督が「オーセンティック・ウィル(真なる意志)」と呼ぶ演出方法は、セリフはいっさい決めず、職種や性格などベーシックな設定と、それぞれの登場人物が「腹の底で考えていること」を俳優と話し合って即興の対話を行うという方法だ。それが演技の生々しさを生み、テンションが張り詰めるシーンを生んでいる。

【あらすじ】
受刑者向けの就職情報誌「CHANGE」編集チームは、出所者の就職あっせんと更生支援をしていた。チームのひとり藤村(35)は、ひき逃げによる殺人罪で10年服役した田中(34)を担当し、中華料理屋に就職させたもののキレやすい性格でトラブル続き。女子児童へのわいせつ行為により2年服役した元教師・三隅(37)は、職に就いたとたんすぐ消息を絶ち、チームを落胆させる。薬物常習で2年服役後出所した森(30)は清掃会社で働くものの、⻑年続くコミュニケーション障害でなかなか社会にフィットできない。社会復帰に向けてもがき苦しむ元受刑者を目の当たりにした藤村らは、アメリカの演劇による心理療法・ドラマセラピーを提案。元受刑者たちと稽古を重ね、舞台『ツミビト』を公演するまでに至るのだが…。舞台初日の観客の反応は、彼らにとって全くの予想外だった。

『過去負う者』は2023年10月7日公開

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#過去負う者#ドラマセラピー#元受刑者

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