娘を殺された元夫婦と加害者の女性 癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤 「赦し」予告

映画予告

2023年3月18日より劇場公開される、日本在住のインド人監督アンシュル・チョウハンの最新作「赦し」の、予告映像が公開された。被害者の両親、加害者の少女という癒やしようのない苦しみに囚われた3人の葛藤を通して罪と罰を問う本作の一端が描きされている。
 
 父・克は裁判所で加害者の少女に「私の娘は戻ってこないんだ」と声を荒げ、母の澄子は「どうして?どうして娘を殺したの?」と問い詰めるなど、娘を殺した少女の減刑を当然認めたくない親たち。しかし加害者少女が初めて明かす衝撃の証言で、克と澄子は愛する娘の知らなかった一面を知ることになる。さらに弁護士から「あなたはこれ以上被告人が苦しむのを本当に望んでいるのですか?それがあなたの正義ですか?」と問いかけられ、娘を失った深い喪失感と同時に、己の正義とも向き合わざるを得なくなり、自問自答し葛藤する日々が、次第に日常生活に影を落としていく。

 「赦し」は、娘を殺された元夫婦と犯行時に未成年だった加害者の女性という、苦しみに囚われた3人の葛藤を描いた作品。7年前に高校生だった娘の恵未をクラスメートに殺害されて以来、酒に依存して現実逃避を重ねてきた樋口克のもとに、裁判所からの通知が届く。懲役20年の刑に服している加害者、福田夏奈に再審の機会が与えられたというのだ。夏奈を憎み続けている克は、元妻の澄子とともに法廷に赴く。しかし夏奈の釈放を阻止するために証言台に立つ克と、つらい過去に見切りをつけたい澄子の感情はすれ違っていく。
 
 本作のメガホンをとったアンシュル・チョウハンは、長編第2作「コントラ」でエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭グランプリなどを受賞したインド出身の映画監督。これまでの作風を一変させ、重厚でリアリスティックな語り口による本格的な裁判劇を生み出した。怒りと憎悪の呪縛に囚われた主人公・克を演じるのは、「義足のボクサー GENSAN PUNCH」で主演を務めた尚玄。元妻の澄子役を「台風家族」「ひとよ」などのMEGUMIが務め、澄子の現在の夫役の藤森慎吾、裁判長役の真矢ミキが顔をそろえる。そして、夏奈役に抜擢されたのは、「渇き。」などの松浦りょう。
 
【作品情報】
赦し
2023年3月18日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
配給:彩プロ
©2022 December Production

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