新聞に掲載された三行広告 それは高齢者専門売春クラブの入り口だった 映画「茶飲友達」予告

映画予告

外山文治監督最新作「茶飲友達」の劇場公開日が2023年2月4日に決まり、予告編が公開された。

 予告編は、妻に先立たれた茂雄(渡辺哲)が、新聞の三行広告に掲載された「茶飲友達、募集」の文字を見つける場面からスタートする。その広告は、高齢者専門の売春クラブ「茶飲友達(ティー・フレンド)」を斡旋(あっせん)するものだった。予告編の前半は、“ティーガールズ”と呼ばれるコールガールとなった高齢女性とクラブを運営する若者たちの仕事ぶりや、売春クラブの代表・マナ(岡本玲)が仲間に「うちらはこの街のセーフティーネット」と語り、万引に手を染める孤独な松子(磯西真喜)に「“ファミリー”になってくれませんか」と勧誘するシーンなどが収められている。
 
 後半の雰囲気は一転し、マナがビジネスを始めた理由が語られていき、最後は「『茶飲友達』それは、寂しさを埋め合う秘密の関係」のテロップで締めくくられ、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」が浮かび上がる予告編となっている。

 「茶飲友達」は、会員数男性1000名、女性350名、最高齢は88歳の高齢者売春クラブが2013年に摘発された、実際の事件を基にした作品。「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立した佐々木マナは、新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、男性の元へ高齢女性を派遣するビジネスを始める。在籍する女性たちの中には、介護生活に疲れた者、ギャンブルに依存した者など、さまざまな事情を抱える者がいる。一方、「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、閉塞感を抱えて生きている。若者や高齢者を束ねるマナは、彼らを「ファミリー」と呼び、疑似家族のような絆を育んでいく。

 高齢者の孤独に寄り添いながら自身も心に寂しさを抱え、ファミリー=“疑似家族”の中に居場所を求める主⼈公・マナを演じるのは、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍する岡本玲。監督は、「燦燦-さんさん-」「ソワレ」などの外山文治が務める。「カメラを止めるな!」などを送り出したENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の10作目となる。

【作品情報】
茶飲友達
2023年2月4日(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
配給:イーチタイム
©2022

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